物価高にも負けない サバンナ八木さんと節約オタクふゆこさんがアドバイス 新年度から始める節約&投資生活

株式投資において「儲かる銘柄を選ぶ」「適切に売買する」ことも大事だが、最も重要なことは「投資への入金力」だろう。株価2倍成長のインパクトは、元本10万円と1000万円ではまるで異なる。この春から株式投資を始める方、あるいは本格的に始めたい方に向けて、入金力を高めるための「お金との向き合い方」について、ふたりの「節約・投資の達人」にアドバイスを聞いた。
取材・文/吉田大悟
写真/櫻井健司(八木真澄氏)、塚原孝顕(節約オタクふゆこ氏)
ヘアメイク/Kanagon(八木真澄氏)
八木 真澄(やぎ ますみ)
1974年生まれ、京都府出身。1994年に高校の柔道部の後輩だった高橋茂雄とお笑いコンビ「サバンナ」を結成。芸人としてメディアや舞台で活躍する一方、節約家・投資家としての顔を持ち、2024年10月にファイナンシャル・プランニング技能士1級に合格して話題に。全国各地で金融知識の講演会を行う他、2024年に著書『年収300万円で心の大富豪』を刊行。2025年3月には共著で、『FP1級取得!サバンナ八木流 お金のガチを教えます』を刊行(いずれもKADOKAWA)。
節約オタクふゆこ
1993年生まれ。自らを「節約オタク」と称する節約・投資系YouTuber。理系の大学院修了後に開発職として電子系メーカーに就職したものの、お金に対する不安を拭えなかったことがきっかけでお金について学ぶ。その後、1カ月10万円で生活し、年間300万円を貯金、20代で資産1,000万円を達成。YouTubeチャンネル「節約オタクふゆこ」では、日常的な節約法のほか、投資についての動画も初心者向けに配信し、チャンネル登録者数は66万人を超える(2026年3月11日時点)。
普通に生きていたら普通に貧乏になる時代が来ている インフレ時代のお金への向き合い方 サバンナ・八木真澄氏
通貨価値7割の時代に「普通の人生」は維持できない
「真面目に働けば不自由なく暮らせて、定年後も穏やかに過ごすことができる」。そんな、いわゆる「普通の人生」というモデルが難しい時代になりました。
僕の両親は80代ですが、親世代はそのモデルに乗れて不自由なく暮らせています。でも、すでに年金受給年齢は60歳から65歳になり、60歳定年では65歳までの5年間の生活費で約2000万円(年間400万円)が必要です。その5年間を会社は継続雇用してくれるけど、再雇用で給料は安く抑えられるケースが多いと聞きます。さらに、退職金の廃止や減額も増え、人口減少と超高齢社会により、将来の年金受給は不安定。構造的に現役世代が貧しくなることは明らかです。
そのうえ、現時点でも物価高が深刻です。僕は営業で全国を飛び回っていますが、北海道の空港で海鮮丼を食べようと思ったら5000円もしますからね。日本人よりも豊かなインバウンド基準の値付けが増えていることに危機感を覚えます。ここでも、「旅先で名物を食べる」という「普通の楽しみ」が通用しなくなっているということですから。
僕は、ウイスキー「白州」で晩酌をするのが楽しみだったのですが、ジャパニーズ・ウイスキーの価値が海外にバレてしまい(笑)、価格が高騰しましたかろうじて焼酎は気づかれていないのでお手頃ですが、いつ海外にバレて楽しみを奪われるかとヒヤヒヤしています。
さらに、食品や日用品などの日常生活のコストも上がっていて、ラーメン屋では一杯1000円超えがあたりまえ。それこそ、通貨の「体感価値」がこの5年で7割に目減りしたと感じています。5年前のドル円相場110円が現在は157円(2026年3月6日時点)なので、為替レート通りの割合で日本円の価値が下がっているわけです。
この円安の一因は、金利3.5%の米国と0.5%の日本との金利格差にあるため、円安を食い止めようとして日銀は段階的な利上げを検討しています。しかし、利上げをすれば物価は下がっても住宅ローンが高くなるし、賃貸も大家さんの返済負担が増えるので家賃に上昇圧力がかかります。一方、利上げをしなければインフレに歯止めがかかりません。つまり、今後さらに生活コストが高まることは構造的に避け難く、なにも考えず「普通に生きている」と、あっという間に資産が削られてしまいます。
「足るを知る」と暮らしはずっと豊かになる
「普通に生きれば貧乏になる」時代に必要なことは、「世間の物差し」を捨てることだと考えます。「自分軸の価値観で消費をする」といってもいいでしょう。
その最たるは、住宅です。みんな東京に一極集中して都心の地価はグングン上がっていますが、東京に住むメリットを僕は感じません。郊外や地方のほうが、地価が安いので家計はラクになるし、近場の遊べる自然環境も豊富ですよね。
だから、僕は東京進出後も、あえて大阪で家族の住む自宅を購入し、仕事用に東京で小さな部屋を借りる二拠点生活を続けています。東京と、大阪の自宅をテレビ電話で繋ぎっぱなしにしているので、食事も一緒だし、家族の何気ない会話も聞こえるし、同じ家の別の部屋にいる感覚で過ごせます。多少の不便は、工夫次第でどうにかなることが多いのです。
また、吉本の芸人は後輩を飲みに連れていく文化がありますが、
