日経・東証IRフェア2025に初参加した女性投資家がみた1億総投資時代への道【ハナミラ×ジャパニーズインベスターコラボ企画】

会場に溢れていた「投資が特別ではない時代」の空気
ハナミラレポーターの賢城まいです。
前回の記事では、NCD株式会社(証券コード:4783)のブースを取材し、企業の取り組みや成長戦略についてご紹介しました。今回は視点を少し広げて、「日経・東証IRフェア2025」の会場全体の雰囲気や投資が身近なものになりつつある現場の空気をお伝えします。
会場に足を踏み入れた瞬間、予想以上の熱気と人の多さに圧倒されました。企業ブースの前には長蛇の列。熱気が東京ビッグサイトの一角を包んでいました。私は、その盛況ぶりに驚きながらも、ある光景に目を奪われました。それは、制服姿の高校生たちが、真剣な眼差しで企業担当者の話に耳を傾けている姿です。
「投資って、もう一部の人だけのものじゃないんだ。」
そう感じた瞬間でもありました。老若男女、誰もが、自分の未来を自分で選べる時代。投資が日常の一部として定着しつつある“1億総投資時代”の到来を肌で感じた一日でした。
また、会場ではスタンプラリーもあり、決して堅苦しい雰囲気ではありませんでした。「どこでスタンプ押せるんだろう?」という高校生同士の声が、会場に入ってすぐ耳に届きました。そうやって、楽しみながら会場を回っていくのも良いですね。
企業説明会に女性の姿が増えていた理由
何度もIRフェアに足を運ばれている方に伺った話ですが、今年はとにかく女性が多い!ということです。投資の世界といえば、男性の領域という印象がある方が多いと思いますが、男性だけの世界ではなくなりつつあると感じます。私自身は、思ったより女性がいるなという印象でした。
なぜなら、過去開催時の写真を見たときには、男性の姿しか見ないほどだったからです。女性は意識的に探してみると写真に写っているくらいでした。今年は妊婦さんやお子様連れの方も、見かけることが多くありました。来年ぜひご自身の目で確かめて、会場の変化を体感してみてください。
来場者(個人投資家)が多く集まっていた企業ブースを見て感じたことは、単なる業績の説明ではなく、共感できるストーリーや理念を発信しているかが、投資家の心を動かす鍵になっていると感じました。「どの企業に共感できるか」そんな視点で投資を考えている人が増えているのだと思います。理念といった思いの部分、つまり個人投資家がどんな価値観をもち、どんな企業であれば自らの資金を投じようと思えるのか。その思いのマッチングがより一層、投資先を選ぶ上で重要になるんだろうと感じました。
私自身は、もちろん数字の部分を見ます。どんなビジネスモデルか、これからどの程度の時間でどれくらい伸びていくと考えられるか。どこまでのリスクなら自分は許容できるかということです。しかし、それだけではありません。その企業がどんなことを言っているのかということをとても見ます。
ストーリーの語り方が上手な企業の話を聞くと、これは多くの個人投資家の気持ちが動くなと感じることもあります。もちろん、言動の一致は不可欠です。ちょうど今回のIRフェアでも他の参加者の顔を間近に見ることができたので、気持ちの動きを感じる場面がありました。
新NISAがもたらす「1億総投資時代」の現実味
もう一つ印象的だったことは、会場全体に漂う親しみやすさでした。言ってしまえば、金融のイベントですと、どこか堅苦しく近寄りがたい雰囲気を想像しませんか?でも、実際は真逆です。
ブースも各企業ごとの特色が出ていて、カラフルなデザインのところもありました。キャラクターの絵があったり、カラフルなブースやパンフレットのところは、目立つので興味を持ちやすかったです。個人的には、酉島製作所のブースが一番印象に残りました。説明も優しい言葉でわかりやすかったですし、子供と一緒に行っても楽しめそうです。
若い世代や女性の参加者が増える背景には、新NISA制度の影響があるでしょう。投資額の上限が拡大し、非課税期間が恒久化されたこと、ネット証券の台頭、投資でポイントもつくなど投資の入り口が増えています。これまで、自分に投資は関係ない、と感じていた人たちが、関心を持ちやすい世の中になってきていると感じます。土曜日開催のIRフェアに高校生が来ていたことも、その象徴だと思います。高校生たちにとって、投資やお金の使い方を考えることは、遠い将来の話ではなく、自分たちの生き方を設計する手段の一つになっているのでしょう。
1億総投資時代という言葉を聞くと、どこかスローガンのように感じるかもしれません。けれど、日経・東証IRフェアの現場に立つと、その変化がすでに確実に動き出していることを実感しました。一人ひとりの意識の変化が、投資が日常になる人たちを増やしつつあると思います。実際、上場企業に勤める新社会人に数ヶ月前に聞いたことですが、新NISAは当たり前のように活用しているそうです。
「怖い」「難しい」から「楽しい」へ 女性投資家がもたらす未来
投資をこれから始めよう、始めたいと思っている方は、投資に対して、「怖い」という印象を持っていないでしょうか。けれど、それは知らないからに過ぎないと私は考えています。誰だって、知らないことに対して「怖さ」を感じるのは自然な感情です。
実際に、IRフェアに参加し、話を聞くことで、投資が単なる数字の動きではなく、これからの社会にどう関わるか、どう貢献していきたいのかという意思表示だと感じられると思います。
ですから、まずは知ろうとすること。自ら知りにいく必要があるということです。
特に、女性はライフイベントの変化を10代、20代前半から想定して、自身の将来を選択している方が多いですよね。仕事や、人生における大きな変化を想定して、多くの選択をしているということが往々にしてあります。例えば、妊娠、出産、子育てのことを想定して仕事を選んだりするということです。10代、20代前半の男性で子育てのことを想定して仕事を選んだという話をあまり聞きません。
つまり、女性こそ、自分の資産を自分で育てるという選択は、自然なことではないでしょうか。働き方やライフスタイルを柔軟に選びたい女性にとって、株式投資は資産形成の有効な選択肢となり得ます。
投資は、恐る恐る始めるものではありません。知ることや人と繋がることを通じて、自分の世界を広げる手段です。
将来のために備えるだけでなく、「楽しみながら続けること」も、長く投資を続けるうえで大切な要素です。投資の知識を正しく知ることで、「怖い」「難しい」といったイメージを取り払うことができます。
そのうえで、自分なりに興味を持てるテーマや応援したい企業や社長を見つけて、アイドルを推すように企業を応援することで、投資はより前向きで充実した活動になります。
「楽しい」という感情こそが、継続の原動力であり、そうした前向きなエネルギーが、これからの新しい投資スタイルとして広がることで、投資がより身近で楽しいことになるはずです。
1億総投資時代は、数字よりも意思あるお金が鍵を握る
IRフェアの会場を後にしてふと感じたことは、未来を良くしたいという意識です。
投資とは、単に資産を増やすためだけの手段ではなく、自分の価値観を社会に投影することだと思いました。どんな企業を応援したいか、どんな社会を望むのか。その意思の集まりで、お金の流れが変わっていくのではないでしょうか。
お金の使い方、お金の置き場は、自分の選択によって反映されます。それはつまり、使い方が生き方をうつしている。日経・東証IRフェアで出会った高校生たちの真剣な眼差しを思い出しながら、そんな言葉を繰り返し帰路につきました。
次回のIRフェアでは、さらに多くの人が“自分らしい投資”に出会えることを期待しています。
ハナミラについて

「未来デザイン×資産運用アカデミー ハナミラ」は、株式投資を中心に、女性が自分らしい人生と資産形成を両立するための実践型スクールです。20代〜60代の幅広い世代が在籍し、累計受講者は1,200名以上。生活に根ざしたサービスや、信頼できる経営者などから企業を見つける「推し活投資」を通じて、楽しみながら銘柄分析や売買タイミングの判断力を養えます。初心者でも一歩ずつ投資判断力が身につくカリキュラムとコミュニティが特長。日本女性が経済的に自立することで、日本企業と社会にも資金が循環する——そんな未来の実現を目指しています。
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賢城まい
ハナミラ歴2年。薬剤師。
婚活中恐喝被害をうけ、婚活やパートナーシップに悩む女性の幸福に貢献したいと強く考えるようになる。その経験から、他者に振り回されない、自分にしか創れない軸を習得し、一生モノの人生の土台を確立するマンツーマンコーチング提供。逆境でも、再気力=レジリエンスで、自身を立て直せる女性の輩出を目指し活動。 地方創生活動、四国ウーマンサミットクルー。現在、株式投資は趣味となっている。
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