アクシスコンサルティング株式会社 『コンサル業界向けハイエンド人材紹介で高実績スキルシェア領域とともに複合サービスを展開』
アクシスコンサルティング株式会社
東証グロース/証券コード 9344
2023/3/28 上場

代表取締役社長
山尾 幸弘
1962年生まれ。味の素ゼネラルフーヅ株式会社(現 味の素AGF 株式会社)にて営業・マーケティング業務を担当。1992年国内系エグゼクティブサーチ会社に入社。IT、製造、通信、サービスなどさまざまな業界、大手からスタートアップベンチャーまで、幅広い企業ステージのエグゼクティブサーチを手がける。同社取締役を経て、2002年アクシスコンサルティング設立、代表取締役社長就任。
人材紹介とスキルシェアで4つのサービスを展開中
――事業概要についてご説明願います。
現在、当社グループは人材紹介とスキルシェアという2つのサービス領域で4つのサービスを展開しております。

まず1つ目が、2002年の創業時から展開するコンサルティングファーム向けに特化した正社員採用サービスです。20余年の知見と実績により、現在では現役コンサルタントの約4人に1人が登録するコンサルタント採用・転職支援サービスとなっています。
続いて、国内で約60年の活動実績を有するケンブリッジ・リサーチ研究所が展開する経営幹部候補やDX推進のためのハイエンドな正社員採用サービスです。
3つ目が、コンサルティングファームから独立し、フリーランスとして当社に登録しているコンサルタントによる経営課題、事業課題の解決支援サービス「フリーコンサルBiz」です。このサービスは、企業が抱える課題に対し、フリーコンサルタントがニーズに合わせて課題解決プロジェクトを提供するスキルシェアサービスです。一方、高度な能力を持つフリーコンサルタントにとっては、安定的な案件獲得ができる営業支援サービスとなっています。
4つ目が、スキルシェア領域のサービスで昨年7月から開始した「コンパスシェア」です。このサービスは、全国の中小企業を含むすべての事業会社の皆さまがデジタルプラットフォーム上で、比較的リーズナブルな価格で気軽に現役のコンサルタントに経営課題、事業課題を相談でき、スポット的な利活用もできるコンサルサービスです。
人材ビジネスでのリカーリングを実現するオンリーワン企業
――御社の強みを教えて下さい。
昨今、日本でも人的資本経営の重要性が認識されるようになってきました。当社は約20年前の創業当初から「人が活きる、人を活かす。」という理念を軸に、人的資本の最大化・最適化・再配置を標榜して事業を営んでまいりました。そして、昨年6月にはコーポレートステートメント「あらゆる課題は、人で解決する。」を制定し、人材を資本(ヒューマン・キャピタル)と捉え、ハイエンド人材の価値が存分にシェアされることを目指して事業展開しています。
すでに「就社」の時代は終わり、これからは「就ミッション」の時代へと移行すると我々は予見しています。転職はもちろん、副業・兼業やフリーランスと働き方はすでに多様化しつつあり、人々はミッションベースで就業するという労働市場の大きな転換期を迎えていると考えています。こうした時代の変遷の中、当社グループは企業に対し、課題整理(スポットコンサル)から、課題解決(フリーコンサル)、内製化(正社員採用)まで支援できるサービスを展開し、課題解決と価値創造を実現してまいります。
また、事業内容については、コンサルティングファーム向けのハイエンド人材紹介とスキルシェアの複合サービスを展開する上場企業は他に例を見ません。

しかも、当社グループが転職支援した人材が企業の幹部人材となり、発注者側として当社グループに各サービスを依頼するケースもあります。こうした流れを、人材ビジネスにおけるリカーリングと捉えて推進しており、サービスの継続利用とともに他のサービスへの転換・循環する仕組みの確立を図ります。
また、一般的な人材紹介事業の場合、登録者とのコンタクトは平均3~4カ月ですが、当社ではより継続的に人材に伴走し、コンサルティング業界にマネージャー以上の役職で転職する場合、1年以上フォローするケースが※約半数(44%)にもなります。人材紹介業界の中でも極めて珍しい取り組みとなっています。
※コンサルティング業界にマネジャー以上の役職で転職した人材を母集団としたときの、当社登録から転職先入社までの期間が1年以上経過していた人材の割合
こうしたアプローチを続けてきた結果、難易度の高いプロジェクトやポジションに対応できるハイエンド人材を紹介できるのが当社グループの強みです。
加えて、自然と他のサービスの利用にも結びつきやすいことも、当社グループのビジネスモデルの特徴です。たとえば副業でコンパスシェアを利用していたコンサルタントが事業会社に転職する際に、当社グループにそのサポートを託されるケースも想定しています。
データベースを武器にリカーリングビジネスを推進
――上場の目的と、今後の成長戦略について教えてください。
株式上場は、成長戦略を推進するための手段として捉えています。祖業であるコンサルティングファーム向けの人材紹介だけでは決断していなかったでしょう。スキルシェア領域において、フリーランスの活用に加えて「コンパスシェア」というブランドで副業サービスも開始し、事業基盤が整ってまいりました。また、社会情勢の変化として、人的資本経営や働き方の多様化・改革など政府の後押しもあります。そのなかで、ビジネスモデル的に対事業会社を意識したこともあり、このタイミングでの株式上場を決断しました。
今後は、主力のコンサルティングファーム向け正社員採用サービスに注力すると共に、成長戦略としてスキルシェアの領域や、成長余地の大きい事業会社向けのサービス拡大を図り、当社グループの強力な武器であるデータベースを活用したビジネスの開拓も検討していきたいと考えております。