31歳、コツコツ貯めて資産7,000万円! 超倹約家が語る「お金への執着」と節約の必要性

節約系YouTuberの先駆けとして知られ、YouTubeチャンネル「倹者の流儀」でストイックな節約生活を動画配信する「くらま」氏。投資家でもあり、2025年8月時点で7,000万円もの資産を形成しているが、それでも節約生活を継続するモチベーションはどこにあるのか。そのマインドと、具体的な日々のアクションについて聞いた。
構成/岩川悟 取材・文/吉田大悟 写真/石塚雅人
「節約の異常者」を自称する節約投資家の生活
——くらまさんは31歳で資産7,000万円を達成されていますが、その資産形成は「投資」以上に「節約」によるものだそうですね。
くらま:株式投資や暗号資産投資を行っているので、含み益があることは確かですが、それ以上に会社員としての収入やYouTubeでの収益を「ほとんど使わない」ことで投資原資が飛躍的に伸び続けています。
節約をはじめた社会人1年目の頃は、月収の手取り20万円前後に対して月3万円の支出で生活をしていました。その当時は奨学金の返済もあって、かなりストイックに節約をしていたのです。その頃の節約ぶりは、現在のわたしでも「異常者」だと思います(笑)。同時に副業もして1年間で約300万円の奨学金を完済したのですが、それから7年が経った31歳の現在は、少し支出を増やして月6万円から8万円ほどの支出で生活しています。
——月8万円以下の生活も、十分にストイックだと思います。生活費の内訳はどのような感じですか?
くらま:先の「月3万円生活」の頃から強みになっているのは、なんといっても家賃です。勤務先の会社が家賃補助を出してくれるので、月5,000円で済んでいるからです。壁を叩いたら隣人が悲鳴をあげるような環境ですが、狭くも古くもなく、わたしにとっては十分な部屋です。
おそらく、31歳の独身男性で23区内に住んでいたら、家賃は9万円ほど支払うのではないでしょうか。1年で108万円、わたしが社会人になってからの7年間では更新手数料を抜きにしても756万円かかります。それが、わたしの場合は7年間でたったの42万円。お金が貯まるのは当然といえるでしょう。
そのうえで、月の食費は2万円から2万5,000円、水道光熱費は1万2,000円、通信費が6,500円、美容費6,500円、娯楽費1万円から2万円で、計6万円から8万円の支出で生活しています。「月3万円生活」の頃より、食費を1万円増やして野菜を多く食べるようにして、美容費も2,000円カットから普通の美容院に変え、娯楽費も計上しているので、それなりに文化的な暮らしだと思いますよ。
——「家計調査(総務省統計局 2019年)」によれば、34歳以下の単身世帯の男性の1カ月の食費は平均4万7,553円とされます。食費2万円から2万5,000円は、かなり支出を押さえていますよね。
くらま:いえ、単身世帯の食費月2万円台は外食やテイクアウトをやめれば、そこまで難しい数字ではありません。自炊が前提となりますが、ネックは「手間と時間」ですよね。日々、忙しいなかで1日3食の自炊の時間をどう効率化するかが、節約生活のキモになります。
そのため、わたしは節約をはじめた7年前から、1日1食で生活しています。栄養バランスを考えて野菜も豊富に取り入れ、1食で1,500kcalから2,000kcalの料理をつくって生活しているのですが、調理時間と食事時間、洗い物の手間を大幅に削減できて効率的です。日中は会社に出勤していますが、節約をしながら浮いた時間でユーチューバーとしての仕事に集中し、Netflixで娯楽を楽しみ、夜は日課のウォーキングでリフレッシュができています。ただし、1日1食は決して他人にはおすすめしません。
——そうすることで弊害を感じている?
くらま:栄養や医療の専門家ではありませんし、自己責任でやっていることを推奨できないということです。1食でエネルギーを一気に補給しますので、血糖値が急激に上がりやすい食生活であることを懸念しています。年齢も30代を迎え、なにか違う効率的な自炊スタイルを考えないといけないなと思っていますね。
あとは、「食事に誘われても応じにくい」ということもありますね。まして、わたしが1日1食だと知られていると、「気を遣われて誘ってもらえない」という弊害もあるのです……(苦笑)。無意味な会食に参加しないことも確かに節約になりますが、食事は人脈を広げるうえで大切な機会でもありますから、その機会がなくなってしまうのは人生において損失になり得ると考えます。
資産形成ができても節約生活を続ける理由
——高い意識で節約生活を継続されていますが、くらまさんは既に7,000万円もの資産があり、節約をやめて投資益だけで資産形成を続けてもいいように感じます。それでも節約生活を続ける理由は?
くらま:シンプルに、「お金に対する執着」を簡単には手放せないのかなと思います。先に「3万円生活」を現在は6万円〜8万円の支出に変えたと述べたように、これでも「少し節約を緩めよう」とはしているのです。あまりに過度な節約生活は、他者との交流にも支障をきたし、ある種の社会不適合を招いてしまいますからね。それに、お金自体は人生を豊かにするためのものであって、本来は「使うべきもの」です。
それでも、パーっと使う気持ちになれないのは、ネガティブな側面では、社会人1年目の奨学金返済と、それ以前にもニートのような生活をしたことがあり、国民年金の支払いで苦心したトラウマがあります。「あの頃の不安感には戻りたくないな……」という思いですね。
それに加えて「ユーチューバーあるある」なのですが、「いつまでこの仕事と収入が続くかわからない」という不安感もあります。いわば、パチンコで大当たりしていて、トイレに行きたくても席を離れられない気持ちです。いま、このチャンスに全力投球して稼ぎ切りたいのだと思います。
——ポジティブな側面では、いかがですか?
くらま:わたしは、「節約=副業」だと考えています。1,000円の外食を我慢して、原価200円の自炊弁当で済ませれば800円が節約できますよね?それは、「800円を稼いだ」ことと同義だと考える意識です。働いてたくさん稼げると嬉しいように、節約にも喜びがありますから、なかなかやめられないですね。
また、お金が貯まるたびに、生活や将来への不安が少しずつ解放されていくという側面もあります。「お金を使うこと」だけが自由ではなく、気持ちのうえで経済的な縛りから解放されていく自由の実感があるというわけです。逆に、お金があるからといって高額な車を買ったり、家を買ったりするのは、束縛や不安を買うようなものに感じています。
ですから、なにか資産形成し続けてきた目的があって、そのために使うのであればいいのですが、「ただお金が貯まってきたから」で気を大きくしてしまうのは、自分を再び不安に落としてしまう油断や罠の類かもしれませんね。
そもそも、わたしの節約歴はわずか7年です。有名投資家にも、株主優待を活用して40年以上も節約生活をされている桐谷広人さんのような方もいらっしゃいますし、まだまだ油断している場合ではないですね。
節約がインフレ社会への対策になる
——近頃は、米の価格高騰も問題になりましたが、全体的に物価上昇が叫ばれていますよね。こうした状況では、生活のためにも、投資原資を稼ぐためにも節約の重要性は増しているかと思います。
くらま:先に「節約=副業」だといったように、節約は利益を生み出す行為です。よって、物価に対して収入がついてこないのなら、「副業すればいいじゃん」というのと同じ感覚で、「節約すればいいじゃん」と思うのです。本業の忙しさや、家庭環境によって副業することが難しい人もいますが、節約は誰でもできて稼ぎの幅も大きいものです。
ただし、節約の限界は「支出ゼロにはできない」ことにあります。どうしても、生きていく以上はお金を使います。そこで、節約で稼いだ余剰金を投資にあてて「増やす」ことが大切です。節約と投資がきっちりできて、物価の上昇率を上回る運用ができれば、これからのインフレ社会を恐れることはないですよね。その第一歩として、節約の重要性はより高まっているでしょう。
——これまで節約をあまり意識してこなかった人に、アドバイスをお願いします。
くらま:まず、具体的な行動面でのアドバイスとしては、自分がお金を使っている事柄をできれば100個、少なくとも50個書き出してみましょう。そして、その事柄に優先順位をつけてください。優先順位の低いものから手放していくのが、比較的ストレスのない節約のコツです。できれば、固定費を優先して節約できるといいですね。家賃や保険、スマホ代、サブスクの利用料などの固定費は、一度下げれば継続的に節約効果を生み出し続けるからです。
もうひとつは、マインド面です。人それぞれ「こだわり」があると思いますが、節約においては固定観念にとらわれないことです。例えば、「常識的に考えて、これくらいは持っていないと恥ずかしいもの」が年齢やステータスに応じてあるかもしれませんが、それは本当に必要なものですか?
先の家賃価格もそうですね。年齢やステータスに応じて「いい物件」を借りれば、それだけ財政的には貧しくなります。また、「広い部屋」や「おしゃれな物件」を借りると、それに応じていろいろなものが増えます。インテリアなどを、部屋の価値に見合ったもので埋めようとしてしまうのです。感度の高い地域や高いマンションに住むと、それに見合ったクラスの車を買いたくなるのと同じことですね。
それで財政的に不安になるのなら、固定観念は捨ててもいいのではないでしょうか?最近、わたしは1日1食の自炊メニューでパスタをよく食べますが、それは米の価格が上がって「パスタのほうが安くなったから」です。米が高くて不満なら、米を食べなければいいだけだと思っているのです。
マクロ的に考えても、みんなが米価格に不満で米を食べなくなれば、供給過多で米の価格は自然と下がるはずです。それなのに、「おいしい米が食べたいから、元通りの値段で販売しろ!」という昨今の現象は、極端な思想だと感じます。そうはいっても、米については食文化に根づいた作物であり、生産従事者も多いことから、それは暴論なのかもしれません。
しかし、だからといって自分も世間の考え方につきあう必要はありません。常識にとらわれず、合理的な判断をすることができれば、節約の可能性は大きく広がるでしょう。
くらま
節約系ユーチューバー、東京都在住のファイナンシャルプランナー資格を有する会社員。社会人1年目でひとり暮らしをしながら徹底的な節約生活を開始し、奨学金300万円を完済。そのストイックな節約生活や資産運用のノウハウを解説するYouTubeチャンネル「倹者の流儀」を運営し、2025年8月現在チャンネル登録者数は36万人を超える。著書に『すごい貯蓄 最速で1000万円貯めてFIREも目指せる!』(KADOKAWA)がある。
