第107回『個人投資家のための会社説明会 in 東京』開催レポート

2月26日、東京にて第107回目の説明会が開催された。登壇したのは、M&A仲介の株式会社ストライク、食のインフラを担うデリカフーズホールディングス株式会社、ホテル運営のポラリス・ホールディングス株式会社の3社。各代表が自社の強みと未来への戦略を熱く語った。
株式会社ストライク
潜在市場は240万社M&A仲介の旗手が挑むこと
株式会社ストライク 代表取締役社長 荒井 邦彦氏
最初に登壇したのは、国内M&A仲介業の草分け的存在である株式会社ストライク(証券コード6196/東証プライム)である。荒井邦彦代表取締役社長は、公認会計士としての専門的な知見を経て29年前に同社を創業した。当時の日本において第三者への事業承継という選択肢を提示し、現在では従業員400名超を擁する。創業から四半世紀以上にわたり積み上げた成約実績と顧客からの信頼により、中小企業の存続に欠かせない存在へと発展している。
同社の主力事業は、後継者不在に悩む中小企業のM&A仲介である。2025年までに日本企業全体の3分の1にあたる127万が後継者未定という深刻な構造的課題を抱えている。少子高齢化が加速する中で事業承継は喫緊のテーマとなっており、技術の散逸回避や雇用の維持という観点からも、M&Aの社会的重要性は一段と高まっている。
こうした案件を掘り起こし、売り手と買い手の最適なマッチングを実現することで、取引価格に応じて一定の手数料を受領する収益性の高いビジネスであると荒井氏は語る。約9割は非公開で進む中小企業同士の案件であり、景気変動の波に左右されにくい安定した市場を形成している点が大きな特徴だ。受託から成約まで平均8カ月から1年程度を要するが、確実な収益源となるストック型の側面も持ち合わせている。
業績面では、前期売上高200億円という節目を達成し、今期は240億円の計画だ。11期連続で増収増配を継続、過去数年間の年平均成長率は29%と高水準を維持している。直近の四半期においても20%近い成長を維持し、その安定感と成長の持続性は際立つ。同社の競争優位の源泉は「人材力」にあると荒井氏。中小企業経営者の意思決定は数字上の合理性だけでは動かず、創業者の想いや従業員への愛情など感情面が大きく影響するため、高度な対人交渉能力と深い信頼構築力がコンサルタントには求められる。同社は優秀な人材の採用と教育に経営資源を集中させており、新卒採用の強化や独自の研修プログラムの充実により組織全体の質を底上げしている。金融機関や会計事務所との強固なネットワークも、質の高い案件を安定的に創出する源泉だ。
成長戦略としては、3年間で10〜20%の利益成長が目標だ。本年4月1日付で持株会社体制への移行を完了しており、大企業向けFAサービスや成長企業への投資事業など、周辺領域への拡大を加速させる計画である。日本企業の海外進出を支援する体制整備も進め、アジア圏中心のグローバルな成長余地も着実に拡大。株主還元については、2027年9月期までは1株当たり60円配当(株式分割実施前は180円)を下限とし、それが配当性向50%を下回る場合には更なる増配を実施する姿勢が示された。
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デリカフーズホールディングス株式会社
野菜流通×物流で拡大 食の総合インフラ企業へ
デリカフーズホールディングス株式会社 代表取締役社長 大﨑 善保氏
続いて、業務用カット野菜の国内シェアトップを誇るデリカフーズホールディングス株式会社(証券コード3392/東証スタンダード)である。大﨑善保代表取締役社長は、長年現場で培ってきた豊富な知見を武器に、同社を単なる「野菜の卸売業者」から「食のインフラ企業」へと進化させてきた。
同社の事業ドメインは、外食・中食産業向けのカット野菜供給を中核に、独自の物流ネットワーク、野菜の栄養価研究、BtoC領域までを垂直統合したユニークなものである。2026年3月期は売上高640億円、経常利益20億円を見込んでおり、中期経営計画の目標を1年前倒しで達成する勢いである。人流回復に伴う外食産業の活況に加え、深刻な人手不足に悩む飲食店側での「厨房の簡素化」ニーズが追い風となり、付加価値の高いカット野菜の需要が伸びている。日本人の野菜摂取量が依然として目標値に届いていない現状は、同社にとって潜在的な市場機会でもあると大﨑氏。
同社の最大の強みは、高度な加工技術と自社物流網の一体化だ。全国8カ所に配置されたFSセンターと自社配送網により、全国約3万店舗へ毎日新鮮な食材を届ける体制を確立。産地から加工、配送まで一貫して低温を維持する「コールドチェーン」の徹底は、品質に妥協を許さない大手外食チェーンから絶大な信頼を獲得している。
また、過去十数年で積み上げてきた大規模な設備投資は、現在の資材高騰・建設コスト上昇の局面では競合他社が容易に参入できない障壁である。野菜の栄養価や機能性を科学的に分析・数値化する取り組みも推進し、契約農家の収益改善と生産意欲の向上につなげている。これは大﨑氏が入社時に創業者から「志はあるのか」と問われたエピソードと通底していると話す。そして、ポット栽培方式を採用し農業への参入も視野に入れる。未来の持続可能な農業の実現のために就農支援もうかがっている。
今後は野菜の配送で培ったノウハウを活用し、野菜以外の肉・魚・米・調味料も含めた「総合食材流通」へと事業領域を拡大し、外食向け食材市場全体で約10兆円とも言われる巨大なマーケットへの本格参入により事業規模の飛躍的な拡大を狙う。2026年4月から愛知県で稼働する次世代型物流拠点「東海マザーセンター」は、この総合流通機能の市場検証の役割を担う見込みだ。中長期的にはグループ連結で売上高1000億円、株主還元については配当性向30%を目安に安定的な配当を継続しつつ、株主優待制度を通じて個人投資家との長期的な関係構築を重視する構えだ。
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ポラリス・ホールディングス株式会社
インバウンドの波を捉え ホテル運営で収益最大化
ポラリス・ホールディングス株式会社 代表取締役社長 田口 洋平氏
最後に登壇したのは、ホテル運営とホテル投資を主力事業とするポラリス・ホールディングス株式会社(証券コード3010/東証スタンダード)の代表取締役社長 田口洋平氏。爆発的に拡大する訪日外国人観光客(インバウンド)市場を背景に、同社が展開する独自のホテル成長戦略を力強く提示した。
同社は「KOKO HOTEL」ブランドを中心に、宿泊特化型ホテルを日本とフィリピンで展開。現在では111ホテル、総客室数約1万6000室(今後の運営予定含む)を運営する規模にまで成長した。直近の売上高は466億円規模に達し、コロナ禍以降の積極的なM&Aや新規運営受託の拡大が奏功して、業績は過去最高を更新し続けている。国内の宿泊特化型ホテル運営会社としては業界8位のポジションに位置しており、今後トップ集団入りを目指してさらなる規模の利益を追求するフェーズにあることを田口氏は提示した。
現在の経営環境において、コロナ禍以降のインバウンド需要の回復と増加は最大の追い風となっている。訪日客の中にもリピーターが増加し、リピーターの関心は都市部から地方へと急速に広がっており、全国に拠点を持つ同社のネットワークがその受け皿として機能しているのだ。例えばソフト面では、フロントのスタッフがガイドブックに載っていないような地元の魅力を教えてくれるなど、ハードだけでは差別化が難しい時代における大切な要素が挙げられる。
さらに建築資材や土地価格の高騰により新規ホテルの供給が抑制されているため、既存ホテルの希少価値が高まり、収益性が向上しやすい需給環境が生まれている。同社は、全国展開のチェーンホテルの強みを最大限に活用し、データに基づくマネジメント戦略を駆使し、稼働率90%超を維持しながら客室単価の継続的な引き上げに成功している。
今後5年間で同業他社の出店ペースを上回るホテルの出店を新たに計画しており、ドミナント展開による運営効率の向上、運営するホテルタイプの多様化により全国チェーンとしての強みをさらに強化する。地域の観光資源と連携した「地域提案型サービス」や、独自の会員制度を通じたリピーター獲得戦略にも注力し、ソフト面での差別化を徹底する方針だ。
業績の急回復を受けて待望の復配を実現し、さらなる増配や同社ホテルが優待価格で利用できる株主優待制度の拡充も矢継ぎ早に打ち出している。これは個人投資家からの支持を意識した、成果を株主と分かち合うという経営陣による株主還元への強い意志の表れと言えるだろう。
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