第103回『個人投資家のための会社説明会 in 大阪』開催レポート

3月14日(金)、大阪で開催された第103回個人投資家のための会社説明会には、いちよし証券株式会社、極東貿易株式会社、株式会社TAKARA & COMPANYの3社が登壇した。この説明会では、各社の財務状況や成長戦略に加え、今後の業界動向についても深掘りした説明が展開された。特に、個人投資家が気になる株主還元策や中長期的な企業価値向上の取り組みについて、具体的なデータとともに登壇企業それぞれの強みや競争優位性についても説明され、今後の投資判断に役立つ内容が余すことなく提供された。
いちよし証券株式会社
対面営業のプロが支える顧客本位のビジネスモデル

最初に登壇したのは、創業75周年を迎えるいちよし証券株式会社(証券コード8624/東証プライム)の代表取締役社長・玉田弘文氏。対面営業を重視する独自のビジネスモデルを展開し「ブランド・ブティックハウス」を目指す証券会社だ。特に中小型株のリサーチに強みを持ち、業界内でも高い評価を受けている。2006年には「いちよしのクレド」を制定し、フロー型ビジネスモデルから顧客本位のストック型ビジネスモデルへと移行。富裕層を中心とした顧客層に手厚いサービスを提供し預かり資産は2兆円を超え、安定成長を続ける。また、新たにオンラインサービス「いちよしメンバーズクラブ」も立ち上げ、利便性と顧客満足度の向上にも努める。新NISAの普及に伴い、投資信託の販売強化を推進し、長期投資ニーズの拡大に対応。株主還元にも注力し、配当性向50%または純資産配当率(DOE)半期2%のいずれか高い方を採用している。
極東貿易株式会社
技術商社として見据える次世代ビジネスと成長戦略

次に説明を行ったのは、技術商社として成長を遂げる極東貿易(証券コード8093/東証プライム)の代表取締役社長・岡田義也氏。同社は、「人と技術と信頼と」を社是に掲げ、産業設備関連部門、産業素材関連部門、機械部品関連部門といった3つの領域で事業を展開する。特に、脱炭素技術や自動化ソリューションなど、持続可能な成長を支える分野への投資やM&Aを積極的に進め、業界内での競争優位性を高めている。2024年にはエンジニアリングプラスチック溶射材を扱う三幸商会、船舶用エンジンなどの補修部品輸出するウエルストン社のM&Aを実施し、さらなる事業拡大した。株主還元にも積極的で、2025年3月期の年間配当金を70円と計画し、自己株式の取得・償却も実施。さらに成長投資と株主還元のバランスを取りながら、持続的な企業価値向上を推し進め、収益性向上と経営基盤の強化に努めると結んだ。
株式会社TAKARA & COMPANY
AI時代の情報開示で新たな価値創造を

3社目のTAKARA & COMPANY(証券コード7921/東証プライム)は、日本初のファイナンシャルプリンターとして誕生。登壇した取締役・野村周平氏は、企業の情報開示支援の重要性を説く。同社の事業は、ディスクロージャー事業と通訳・翻訳事業で構成され、現在約3900社の上場企業と約1000社のIPO予定企業の情報開示をトータルでサポート。特に、企業の長期的な価値創造を投資家へ伝える統合報告書の作成支援において21%のシェアを誇ることが強みと説明。有価証券報告書作成支援ツール「WizLabo」も好調のほか、通訳大手・サイマルインターナショナルのグループ化による戦略的施策が奏功し、12年連続増収・7年連続増益を達成。また、中期経営計画2026において「サスティナビリティ経営の推進」を掲げ企業価値向上を目指す。そして、2026年5月期には売上高330億円、営業利益43億円、営業利益率13%、ROE10%以上、配当性向40~50%による安定配当を掲げ、ディスクロージャー市場におけるリーディングカンパニーを目指すと、野村氏は締めくくった。
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