株式会社カイテクノロジー『世の中にプラスαを作り出すテクノロジーカンパニー』
株式会社カイテクノロジー
TOKYO PRO Market/証券コード 5581/J-Adviser 宝印刷
TOKYO PRO Marketにおいて直接買付けが可能な投資家は、プロ投資家(3億円以上の金融資産を持つ個人を含む)に限られます。一般投資家は取引所に直接買注文を入れることはできません。
M&Aによって事業を拡大し、事業ポートフォリオを多様化
2023年6月30日東京プロマーケット市場(以下TPM)に株式会社カイテクノロジーが上場した。1990年に前身となるシステム開発会社ウィズソフト株式会社を大阪で創業。2008年に株式会社タスとの資本技術提携を行い、給食事業向けのパッケージソフト開発販売チャネルを取得。2012年には株式会社ソフトビジョンとの資本技術提携を行い、関東圏での営業基盤並びに大手SIerとの取引基盤を確立。2015年にグループ再編を行い、本社を東京に移転。2019年に株式会社スクエアシステムズとの資本技術提携を行い、放送業界や小売業へ取引先を拡充。社名を株式会社カイテクノロジーへと変更した。社名には「α」の語源という説もあるギリシャ文字「χ(カイ)」を入れ、世の中に「プラスα」を創造していく企業であり続けるという決意を表現している。
同社はシステム開発事業とパッケージソフト開発・販売事業をメインに行っている。同社が手掛けるシステムのエンドユーザーは大手金融機関、民放各局、広告業、不動産業、鉄道業など多岐にわたる。パッケージソフト開発・販売事業では、栄養・給食管理ソフト『Mr.献ダテマン』を中心としたオリジナルソフトウェアの企画・開発・販売を行っている。
勝屋嘉恭社長は「会社経営を行っている以上、どこかでパブリックにしたいという想いがあった」と語る。そこで、まずはTPMで上場企業となる道を選んだ。上場の目的は、知名度向上とそれに伴う優秀な人材の確保だ。また、パッケージソフト開発・販売事業の顧客は医療施設や高齢者福祉施設、保育園などであるため、上場によって知名度が上がればメリットも大きいと考えた。
事業内容
今後も確実な成長と収益力の向上を目指す
同社の強みは3つある。1つ目は人材・顧客双方の多様性だ。M&Aのたびに様々な人材と顧客が集まった結果、多種多様な案件に対応可能な体制が整った。2つ目が優秀な人材を育成できる環境だ。自社クラウドサービスの企画開発と大手顧客との多種多様な取引を持つ特殊なビジネス環境を活用してエンジニア人材の育成に注力している。3つ目が管理栄養士自身が開発に参画して開発した、栄養・給食管理ソフト『Mr.献ダテマン』の存在だ。発売から40年を超えるロングセラー商品で、顧客満足度はもとより、契約継続率も99%以上と非常に高く、累計1万5千件超の販売実績を誇っている(Web版(2022年9月時点))。
勝屋社長は、「今後も確実な成長と収益力の向上を目指していく」と語る。システム開発事業は安定市場ではあるが、2025年にはIT人材が43万人不足するというデータもある。同社は大手顧客と継続的な取引があるため、人材採用と時代の変化に合わせた人材育成さえできれば持続的で確実な成長が充分に見込める。上場によりブランド力が高まれば、新卒及び中途採用がこれまで以上に有利となるであろう。
収益力向上の柱となるのが2019年にリリースされたクラウド製品『Mr.献ダテマンWeb』だ。これは、インターネット回線さえあれば、端末や場所を選ばず業務が可能となり、コロナ禍で進んだリモートワークにも適応しやすく、また複数人でデータを共有し一元管理も可能だ。また、料金体系も月額利用料のため初期導入費用を抑えることができ、今後は小規模事業者への導入が加速する。顧客側の利便性が高まるだけではない。同社にとっても売り切り型ビジネスから、契約継続率99%以上の強みを活かしたストック型ビジネスへの転換となり、継続的な売上拡大と利益率の維持が可能なビジネスモデルとなる。
給食業界では食材の受発注を紙ベースで行うなど、まだまだDX化の余地が大きい。各種栄養管理等の栄養・給食管理ソフト市場は既にレッドオーシャンだが、その周辺業務のDX化は、まだまだブルーオーシャンだ。食事の個別対応の複雑化、商品加工技術の進化、セントラルキッチンの台頭など、DX化の需要はますます高まっていく見通しだ。栄養計算だけでなく、食数管理から受発注帳票作成まで一貫したシステムの提案を行えば、働き手の負担を大幅に軽減することができる。同社のサービスは栄養・給食管理ソフトという枠組みを超え、給食業務に携わる全業務のDX化に貢献していくであろう。
同社はこれからもITで世の中にプラスαを生み出し、快適な明日を実現するために、長年にわたり培ってきたIT技術を基軸に持続的な成長を目指していく方針だ。