「東京エレクトロンの関連会社?」から印象が一変。東京エレクトロン デバイス株式会社で知った“技術商社×メーカー”【ハナミラ ×ジャパニーズインベスター コラボ企画】

こんにちは。ハナミラレポーターとして「日経・東証 IRフェア2026」に参加した、のぞみです。今回お話を伺ったのは、東京エレクトロン デバイス株式会社です。
「東京エレクトロン」と聞いて、私がまず思い浮かべたのは半導体製造装置メーカーでした。東京エレクトロン自体は、半導体関連の企業としてよく名前を目にする存在です。そのため、東京エレクトロンデバイスについても「東京エレクトロンの関連商品を扱っている会社なのかな?」くらいの認識でいました。
ブースに向かう前に気になっていたのは、東京エレクトロンとはどのような関係なのか、事業にも何かつながりがあるのか、という点でした。ところが、実際に説明を聞いてみると、私が想像していた会社とはかなり違いました。

「東京エレクトロンの販売会社」という先入観を覆す「技術商社×メーカー」の強み
東京エレクトロンデバイスは、半導体やIT関連の商品を取り扱う技術商社であると同時に、自ら製品を開発するメーカー機能も持つ会社とのこと。東京エレクトロンがもともと手掛けていた2つの事業が分離・独立して現在の東京エレクトロンデバイスとなり、現在は東京エレクトロンの持分法適用関連会社ではあるものの、事業そのものは別だと説明を受けました。
ここでまず、「あ、思っていた会社と全然違う」と認識が変わりました。さらに印象に残ったのが、同社が掲げる「技術商社×メーカー」という特徴です。「技術商社」という言葉については、半導体や電子デバイスを扱い、お客様に合った商品を提案したり、製品やサービスを組み合わせたり、技術支援まで行うという説明を聞き、なるほど、だから技術商社なのかと理解できました。
一方で、「メーカー」と聞いた瞬間、私の中には「ん? 商社なのにメーカー?」という疑問が。その答えの一つが、PB(プライベートブランド)事業でした。
エンジニア比率約40%!商社でありながら自社開発を担う「PB事業」
PB事業では、半導体ウエハの検査装置などを開発・販売しているとのこと。ここが東京エレクトロンデバイスの「メーカー」の部分にあたります。商社とメーカーの両方の機能を持つ会社というのは、私自身これまであまり意識したことがなく、「こんなビジネスモデルもあるんだ」と面白く感じました。また、説明の中でエンジニア比率が約40%というお話もありました。
一般的に「商社」と聞くと、商品を仕入れて販売する会社を先にイメージしてしまいます。でも、技術支援や製品開発まで担うと聞くと、エンジニアが多いことにも納得感がありました。社名や「商社」という言葉だけを見ていたときには分からなかった部分です。

海外製品を扱う技術商社ならではの疑問。為替変動リスクへの対策は?
説明会の後、担当の方と直接お話しする時間がありました。そこでまず私が気になったのが、為替の影響です。技術商社として海外の有名メーカーの製品を多く取り扱っていると聞き、「円安や円高など、為替の変動は業績に影響しないのだろうか?」と疑問に思いました。わからないなら聞いてみよう、ということでそのまま質問。担当の方からは、為替変動に対するリスクヘッジを行っているという説明がありました。
専門的な仕組みについての詳細な解説は割愛しますが、帰宅後に自分でも少し調べてみたところ、企業が海外と取引を行う際には、為替変動の影響を抑えるためのさまざまな手法があることを知りました。「海外製品を扱う会社なら、為替の影響にはどう対応しているのだろう?」という自分の素朴な疑問に対して、企業側でもしっかりとリスク対応を行っていることを知れたのは一つの学びでした。
企業を見るとき、私はつい「何を売っている会社なのか」に目が向きがちです。でも実際には、事業を続けるうえでどんなリスクがあり、それにどう対応しているのかを見ることも大切なのだと感じました。
売上規模だけでは見えない収益性。CN(コンピュータシステム関連)事業の「ストック収益」
もう一つ、説明資料を眺めていてふと気になったことがありました。事業別の売上高と経常利益を見ていると、CN(コンピュータシステム関連)事業は、売上高に対して経常利益が比較的大きく見えたのです。「売上規模に対して、利益がしっかりと確保されているように見える。これはなぜだろう?」
そう思い、担当の方に質問しました。
CN事業では、IT機器やクラウド、データセンター、AI・アプリケーションなどを取り扱っており、製品を販売して終わりではなく、その後の保守サービスの提供によるストック収益もあり、継続的な収益基盤となっているとのことでした。この説明は、個人的にかなり印象に残りました。
私はこれまで、企業を見るときに売上高の大きさに目が行くことが多かったのですが、「売った後に、どのように収益が続いていくのか」という見方もあるのだと気づいたからです。
保守サービスの提供は、少なくとも契約期間中は継続的な収入につながるものだと考えると、事業収益の安定性という面でも興味を持ちました。
数字だけを見て「利益率が高い」で終わるのではなく、その理由を直接聞けたことは、今回のIRフェアで得られた大きな学びの一つでした。

約10年の歳月をかけて育成。ニッチ分野で差別化を図る「ウエハ検査装置」
担当の方とのお話の中で、PB事業にも力を入れていることを教えていただきました。
ウエハ検査装置の分野では、もともと商社であった同社が、M&Aなども活用しながら技術力を取り込み、およそ10年かけて自社の技術力を高めてきたそうです。そして現在、お客様への展開が順調に進んでいる段階とのことでした。
検査装置メーカーとしては後発であるため、ウエハ検査装置の中でもニッチな分野に取り組み、差別化を図っているという説明もありました。
「10年。」
この数字は個人的にかなり印象に残りました。
完成した製品の裏側には、想像以上に長い準備期間や試行錯誤があったことが窺えます。
私自身、会社員として働く中で、新しいことを始める難しさを感じる場面があります。
既存の仕事がある中で、新しい事業に取り組み、それを長い時間をかけて形にしていくことは、決して簡単なことではないと感じました。
さらに、東京エレクトロン自体も、もともとは商社からメーカーへと変化してきた歴史があるというお話を伺いました。
「東京エレクトロンも最初からメーカーだったわけではない」という背景を知ることができたのも驚きでした。こういう話は、資料を読んでいるだけではなかなか気づくことができません。担当の方との会話の中から企業の歴史や背景まで知ることができたのは、実際にブースで直接話を聞く面白さだと感じました。
「社名を知っている」から一歩踏み込む。IRフェアで得た企業分析の視点

今回、東京エレクトロンデバイスのブースで話を聞かなければ、私は「東京エレクトロンと何か関係のある会社なんだろうな」という程度の認識のまま、そのまま通り過ぎていたかもしれません。
ところが実際には、技術商社として商品を提案・提供するだけでなく、技術支援を行い、自社製品まで開発する会社でした。
「思っていた会社とは全く異なる、奥深い魅力のある企業でした。」
今回一番残った感想を一言で表すなら、これかもしれません。
IR資料や数字を見ることはもちろん大切です。
一方で、自分が抱いた素朴な疑問をその場で聞き、その答えからさらに会社への理解が広がっていく。
これもIRフェアならではの体験だと思います。
私自身、今回の取材を通して、企業名や「半導体関連」「商社」といった言葉だけで会社を分かったつもりにならず、
「この会社は実際には何をしているんだろう?」
「どうやって利益を生み出しているんだろう?」
「今、どこに力を入れているんだろう?」
と、一歩踏み込んで見ることの大切さを改めて感じました。そして、約10年かけて育ててきたPB事業におけるウエハ検査装置ビジネス。お話を聞いたからこそ、少し勝手ながら「この先どのように成長していくのだろう」と気になる存在になりました。個人投資家として、これからも同社の取り組みに注目していきたいと思います。
ハナミラについて

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のぞみ
ハナミラ歴2年 工学系院卒でメーカー勤務の会社員。将来への不安から投資を始めました。投資を通じて多様な企業の技術や取り組みに触れ、モノづくりに込められた思いを知ることで、日本の可能性を再認識。社会貢献は働くことだけでなく、投資で企業を応援することも自分にできる一歩だと感じ、日々学びを深めています。

