【日経・東証IRフェア2026】で出会った"駐輪場×IT"の会社 ―NCD(4783)説明会レポート 【ハナミラ×ジャパニーズインベスター コラボ企画】

こんにちは!ハナミラレポーターのあきこです。今回は『日経・東証IRフェア2026』で訪問した「NCD株式会社(証券コード:4783)」について、初心者投資家としてレポートしてみたいと思います!
「IT企業なのに自転車?」NCDの事業内容を知る前の率直な疑問
投資に興味津々、毎日チャートを眺めるのが趣味になりつつある私ですが、企業分析についてはまだ勉強中です。今回、お話を伺うことが決まるまで、NCD株式会社について詳しく知る機会がありませんでした。ホームページや決算短信を少しだけ読んで、どうやら「IT活用」と「駐輪場」の会社らしいと分かったのですが、「え? どういう繋がり??」と。そんな率直な疑問と共に、まずはミニ説明会においてフラットに会社のことを伺いました。

NCD株式会社の3つの主要事業:システム構築から駐輪場運営まで
NCD株式会社は、創業1967年の歴史ある会社です。主要事業は3つあり、IT関連事業として「システム開発事業」「(システムに関する)サポート&サービス事業」、そしてITを活用した「パーキングシステム事業」となっています。
(1) 企業のDXを支える「システム開発事業」
IT関連事業のうち「システム開発事業」では、保険・エネルギー・機械・食品などの大手企業を中心に、業務用アプリケーションの開発・保守運用を手掛け、企業の課題解決や戦略の実行を支援しています。
また、「OBC奉行V ERP」「MAJOR FLOW」などの企業の人事や経理業務を支援するパッケージ製品も豊富に取り扱っています。世の中にある色々なソフトを組み合わせ、足りない機能は自社でオーダーメイド開発し、その会社にぴったりな使いやすいシステム環境を構築してくれます。
(2) 導入から運用まで伴走する「サポート&サービス事業」
システムの導入だけでなく、その後のサポートまで一貫して面倒を見る手厚さが「サポート&サービス事業」の強みです。企業のIT化を基盤から支える頼もしい存在と言えそうです。IT関連事業の取引先としては、「東京ガスグループ」など多業種の大手優良企業との長期継続取引があるとのこと。特に保険業界では複数グループとの取引があり、業務支援システムの構築で注目されているようでした。
(3) 自治体からの相談から生まれた「パーキングシステム事業」
そして、NCDのもう一つの中核事業が駐輪場を手掛ける「パーキングシステム事業」です。IT企業と駐輪場の組み合わせは意外に思われるかもしれませんが、元々はとある自治体から「紙で管理している駐輪場をIT化できないか」という相談を受けたことがきっかけなのだそうです。
実際、駐輪場管理システムが機能していない状態では放置自転車が多く、歩行者の通行を妨げたり、景観の悪化や防犯上の課題につながるという問題があったそうです。しかし、システムの導入によって自転車が正しく駐輪され、歩道が広く使えるようになり、見た目にも整った状態になりました。こうした放置自転車の問題は視野を広げてみるとあちこちに生じていることが分かり、1997年から本格的にパーキングシステム事業を開始したとのことです。
主力ブランドとして、時間貸駐輪場「EcoStation21」が紹介されましたが、前輪を1台ずつ固定する駐輪機器と自動精算機が設置されているところを、多くの方が街で目にしたことがあると思います。業界内でのシェアについて尋ねたところ、正確なデータはないものの「電磁ロック式の駐輪場としては、国内トップクラスのシェア」とのお答えでした。駐輪場事業において、機器販売から管理運営までの全行程をワンストップでサポートしているのは業界唯一なのだそうです。もちろん、顧客のニーズに応じて一部の行程だけをサポートする場合もあるとのことでした。

NCDの業績推移と今後の展望:売上高400億円を目指す成長戦略
2001年以降の業績推移では、リーマン・ショックや大震災、コロナ禍などで一時的に売上高が影響を受けるタイミングはありましたが、基本的に右肩上がりで成長しています。直近の2026年3月期の決算では売上高308億円、営業利益26億円となっており、これを2032年に売上高400億円、営業利益40億円にすることを目指しているとのこと。着実な売上成長とともに、利益率の向上を重視する戦略のように思われました。興味深かったのは、現状では営業利益構成のうち約40%を駐輪場を手掛けるパーキングシステム事業が占めていること。自治体との関わりから始まった駐輪場の事業は、今や利益の大切な柱となっているわけです。
IR担当の方にその点をお話しすると、「そうなんです、弊社はやはりIT事業が中心ですので、ITにももっと力を入れていきたいところですね」と仰っていました。とはいえ、駐輪場はインフラとして必要なものですし、意外な組み合わせではあるものの、あくまでもITを活用した駐輪場管理システムでもあるため、事業同士で利益を支え合うことができる構造がとても良いなと思いました。今後予定されている新規事業として、自転車専用ドライブレコーダー「ジテレコ」の開発を進めているというお話もお聞きしました。

配当性向50%超!NCDの魅力的な株主還元と株主優待
NCDは株主還元にも力を入れており、配当性向は50%以上の維持を目指しているとのことです。2026年は52.7%となっており、2027年もほぼ同水準を目指しているとのこと。また、優待制度については、元々1000株以上保有することが条件だったところ、100株以上の保有で500円分のQUOカード進呈という形に拡充されています。嬉しいですね。
一投資家として、自社サービスに関連した優待も魅力的ではないかと思い、駐輪場の利用チケットなども優待品として選択できるようにしてみては、という提案をしてみたところ、「社内でも同様の意見があったが、自転車に乗らない株主の方も考慮し見送っている。ただ投資家の貴重な意見として検討したい」とのお返事をいただきました。

社会インフラを支え、着実な成長を目指す誠実な企業
証券市場を見ていると、期待先行で株価が大きく動く銘柄も散見されます。そうした銘柄をつい追いかけたくなってしまうこともありますが、NCDは誠実に社会の役に立つことをコツコツと積み重ね、着実な成長を遂げている会社という印象を受けました。駐輪場ビジネスを軌道に乗せ、利益の柱として活用していくと共に、あくまでもIT企業としての成長を目指す姿勢にも好感が持てます。
説明してくださったIR担当の方に少し踏み込んだ質問もしてしまったのですが、いずれも丁寧に教えていただいて、風通しの良い会社なんだろうなと思いました。いただいた資料の中に、NCDグループビジョンとして「NCDグループで働くことに幸せを感じ、かつ成長することのできる、"Well-being”カンパニーを目指す」と書かれていたことも印象に残りました。
個人的にもWell-beingは大切にしている価値観であり、社会がその方向に向かってほしいと願っているものでもあります。会社は社員の集合体であり、従業員のモチベーションが上がらなければ良いサービスにも業績にも繋がらないので、従業員を大切にしている姿勢は素晴らしいと思います。
派手な値動きの株に目が行きがちな毎日ですが、NCDのように社会のインフラを静かに支え、着実に利益と株主還元を行ってくれる誠実な企業もあるんだと、気づかされた取材でした。
ハナミラについて

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あきこ
ハナミラ歴2年目。臨床心理士 日々、夫婦関係や親子関係の相談に乗る中で、「お金の不安」がネックとなり、離婚や転職といった人生の大きな決断に踏み切れない方を数多く見てきました。その経験から、自分らしい自由な意思決定をするための一助として、投資を生活に取り入れる人が増えればと願っています。闇雲に行うのではなく、きちんと学びながら関わることで、投資は必ず人生の心強い味方になってくれるはず。そんな思いを胸に、日々学びを深めています。
