薫蓋樟(クンガイショウ)

写真・文/高橋 弘(巨樹写真家)
※この記事は2016年4月25日発行のジャパニーズインベスター89号に掲載されたものです。
関西の巨樹で忘れてはならない1本、それが薫蓋樟と呼ばれるクスノキの巨樹でしょう。1989年に実施した「大阪みどりの百選」では数ある巨樹の中で一番票を集めました。関西では古来より著名なクスノキとして知られた存在の巨樹といえるでしょう。
薫蓋樟は門真市三ツ島の住宅街の中にそびえており、決して広くない三島神社境内をはみださんばかりの勢いで枝を広げています。神社が先にあったのか、クスノキがあったから神社を建立したのかは定かではありませんが、 クスノキが先に存在したから神木として祀るために神社を持ってきたといった方がしっくり来そうな雰囲気です。大きく張り出す枝々も支えを必要としておらず、いまだ若々しい樹勢を保ち続けています。住宅街の中でこれだけの樹勢を保っているのは驚異の一言といえるでしょう。クスノキの木肌に直接触ることができるのもうれしい配慮で、根際に一部木道も設置されており、クスノキの周りをぐるっと一周できるようになっています。薫蓋樟から200mほど離れたところを第二京阪道路が通過するようになりましたが、樹勢に大きな影響を及ぼしていないのは何よりです。大阪でもっとも愛されている巨樹の一本でしょう。
【DATA】
大阪府門真市三ツ島1374
幹周/13.15m
樹高/22m
樹齢/1,000年
国指定天然記念物
【著者プロフィール】
1960年山形県生まれ。巨樹を撮り始めて36年目。出会った巨樹の数は3,400本にのぼり、出版、写真展、ホームページなどにより、巨樹の魅力を発信している。著書に『巨樹・巨木をたずねて』(新日本出版社)などがある。
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