“分配金”の扱いを考えれば即答?「投資信託」と「ETF」のどちらにすべきか投資家が徹底解説

資産戦略の考え方を共有するYouTubeチャンネル『シンガポール投資家KAZ』。今回セレクトした動画では、KAZ氏がETFと投資信託のどちらにすればいいのかをわかりやすく解説しています。新NISAで運用している人にとって必見の内容を、じっくり見ていきましょう。
日本とアメリカでは何が違う?
まず今回の説明でKAZ氏が“一番強調したい”というのが、ETFと投資信託について最大の違いとなる分配の仕組み。「上場ETFで持ってるとそのETFがその分配金を払うので、その分配金は自分の口座にキャッシュとして振り込まれてしまう」といいます。
一方投資信託は、購入時に“分配金が出たら再投資する”という方法を自分で選べるようになっているのが特徴。分配金が自動的に内部で再投資されます。ETFは分配金が口座に振り込まれるため、もし再投資したかった場合、それをもう1度自分でトレードして再投資しなければいけません。そのためKAZ氏は「圧倒的に投資信託が有利」と明言しました。
投資の本場アメリカでは、現在ETFが主流。もともと投資信託が出回り、徐々にETFへと置き換えられていっている事実があります。その理由は、アメリカでは投資信託は実現益を毎年強制分配し、課税口座であれば課税されるというルールがあるため。ETFの場合は分配という部分に関して、現物償還で回避できるようになっているそうです。
日本において投資信託に強制的なルールは存在しないので、KAZ氏はETFに関して“優位性”は存在しないと考えた方がいいとアドバイス。「日本においては心配せずに投資信託をちゃんと使ってください」と語っていました。
ETFが持つ“強い領域”とは
では、投資信託とETFでは何で差がつくのでしょうか。投資信託の内部再投資とETFの強制分配という仕組みに加えて、ETFの場合はたとえばNISA枠でおこなうと年間の投資枠を再消費することになります。他にもつみたて投資枠において、多くのETFは成長投資枠に限定されている点に注意が必要。コスト差はほぼないので、KAZ氏は「日本においてはもう投資信託一択」と結論づけています。
ただしETFにも“強い領域”というものがあり、「米国上場のETFってむちゃくちゃバリエーションが豊富」「ありとあらゆるものがETFとしてトレードできる」と強調。アクティブ運用をしたい人にとって、上場ETFは“確実に投資の枠を広げる”という意味では有効になるようです。
続いてKAZ氏がアクティブ運用の代表格として挙げたのは、高配当銘柄、小型株、バリュー株、REIT、テーマ型の5つ。長期にわたるパフォーマンスを測るため高配当ETFのトータルリターンで比べたところ、配当を再投資してもそのほとんどの銘柄がS&P500の資産曲線に届きませんでした。
またS&P500と小型株、バリュー株、REIT、テーマ型を比較しても、S&P500が安定した高いリターンを出す結果に。唯一テーマ型の「ARK Innovation ETF」のみS&P500を上回ることがあるものの上げ下げが大きく、取っているリスクに対してリターンが伴っていません。KAZ氏は「S&P500が圧倒的というのはちょっと言いすぎかもしれないですけど、リスクに見合ったリターンがもたらされるという部分に注目していただければ」とコメントしています。
アクティブ運用で注意すべきポイント
注意しなければならないのは、アクティブファンドを見た際に「消滅したファンドをちゃんと理解の中に入れておかないといけない」ということ。アクティブ運用の投資信託・ETFのリストの中には、「これから死んでいくかもしれない」ものが含まれている点を理解して厳しく評価しなければなりません。
最後に「ベンチマーク通りに、しっかりとリターンを上げていただくことが1番成功への近道」とまとめたKAZ氏。今回の動画に視聴者からは「アメリカ人が投信ではなくETFを買う理由、勉強になりました」「投資信託とETFの違いがよくわかってませんでしたが、日本では投資信託一択ですね」といった声が寄せられていました。
KAZ氏の説明を参考にして、改めて運用を見直してみてはいかがでしょうか。
KAZ(幣原和寿)
シンガポール在住の投資家。英国の大学を卒業後、コカ・コーラやGEでデータサイエンティストとしてデータ分析・モデル構築を担当する。その後、運用額1,500億円規模のファミリーオフィスや日本株ファンドにてCIO/COOを歴任。約9年間にわたって資産運用の意思決定とファンド運営に携わる。現在は自らの資金を運用しながら、ヨーロッパやアジアを行き来。現地の投資機会や経済環境を直接確認しながら投資活動に励む。また、世界経済・金融市場の構造を投資家視点で解説するYouTubeチャンネルを運営。投資家ネットワークも主宰し、資産戦略や世界経済について情報共有をおこなっている。
YouTube:https://www.youtube.com/@sgkaz
