【HondaJet体験会レポート】他に類を見ない体験型株主優待を直撃取材！

Honda株主優待で非日常を味わう
二輪・四輪・パワープロダクツ事業以外にも二足歩行の人間型ロボット、小型ジェット機、eVTOL、さらには宇宙事業へと挑戦してきたHonda。「The Power of Dreams How we move you.」というグローバルブランドスローガンを体現するかのような体験型株主優待を編集部が体感してきた。

様々な手法で個人投資家層を拡大

　1948年に創業した同社は、創業者である本田宗一郎の「夢」を原動力に挑戦を続け、総合モビリティカンパニーへと成長していった。二輪事業では年間約1800万台を販売する世界ナンバーワン二輪車メーカーとなり、四輪事業では世界で約400万台を販売し安心・ストレスフリーなカーライフを提供している。これらの事業を収益基盤に、同社は今後ＥＶ事業の成長による新たな企業価値向上を図っている。

　そうした企業価値向上に向けた取り組みの一環として、株主還元の強化を掲げ、過去最大の自己株式を取得したほか、年間配当金68円を加えた総還元性向は52％に達し、業界トップクラスの株主還元レベルとなっている。

　また、2023年からは株主層の拡大に向けた取り組みを積極化し、1：3の株式分割の実施やハイブリッド出席型バーチャル株主総会を導入。銀行や損保が保有していた同社株式の売出し等を実施。その結果、株主数は23年3月末の21万人から24年9月末には48万人へと増加し、個人株主比率も約13％となった。

　そうした取り組みの中で、同社は長期ファン株主の醸成を目指し、2023年3月に株主優待を刷新。これまで実施されていた施策にHondaJet（ホンダジェット）体験会が追加された。こうした体験型の株主優待は満足度が高く非常に好評であるため、今後も拡充していく方向性である。

応募倍率855倍のホンダジェット体験会

　2024年12月7日と8日の2日間、本田航空大分事業所にて、ホンダジェット体験会が開催された。体験会に応募できるのは100株以上の株式を3年以上保有している株主のみ。応募総数6846名の中から当選したのは、わずかに8名の株主で、応募倍率855倍という大人気のイベントだ。なお、株主1名につき1名の同行者が一緒に搭乗できる。午前10時頃に2組の株主がオリエンテーション会場に到着。1組目は長崎県からお越しの40代女性で同行者は11歳の息子様。2組目は大阪府からお越しの50代男性で同行者は奥様。10時からのオリエンテーションは、本田航空の事業説明から始まった。ホンダジェットはホンダエアクラフトカンパニーが製造販売をする小型ビジネスジェット機で、全世界で250機以上が運用されている。

　航空機の提供は、創業当初からの夢であり、1986年からジェットエンジンの研究・開発に着手。2015年に米国連邦航空局から型式証明を取得し、29年の時を経て夢を叶えることができたという。体験会のスケジュールと注意事項の説明を終え、格納庫のツアーへ。そこには双発プロペラ機が3機格納されており、現役のパイロットが航空機について丁寧に解説すると、50代男性が熱心に質問をしていた。続いて、ホンダジェットの機体見学および記念撮影が行われた。初めて間近で見るプライベートジェット機に一同大興奮。

　11時からは双発プロペラ機のフライトシミュレーター体験。羽田空港を出発して東京上空を飛行し、着陸するまでの模擬体験をした。計器を確認しながら操縦桿だけでなく足元のペダルも制御しなくてはならず、その難しさに悪戦苦闘していた。11時30分からは、いよいよホンダジェット飛行体験。機内は意外に広く、対面座席でも互いの足が重ならない。椅子の座り心地も抜群で、まるで空飛ぶスポーツカーだ。飛行時間は約30分間。ジャンボジェット機よりもはるかに低い飛行高度で周遊するため、海や街などの景色がよく見える。ホンダジェットは主翼の上にエンジンを設置するという独自の方法を採用しており、エンジンの振動が直接ボディに伝わらず、想像以上に静かで普通に会話もできた。一生に一回あるかないかの体験をした２組の株主は、ますます同社のファンになった様子であった。これからも同社はユニークな体験型株主優待を武器に個人投資家を増やしていくであろう。