リックス株式会社　『創業100年を超える『メーカー商社』が掲げる次の100年の成長を見据えた“深化”と“探索”』

リックス株式会社
東証プライム／証券コード7525

販売、技術、製造、サービスの機能を融合した『メーカー商社』

リックスは福岡市に本社を置く『メーカー商社』。1907（明治40）年の創業以来、鉄鋼業界をはじめとする様々な産業界に市場を広げてきた。『メーカー商社』とは販売、技術、製造、サービスの４つの機能を融合して展開する同社独自の名称で、幅広い品揃えを持つ商社機能と独自の技術力を持つメーカー機能を併せ持つ同社の強みを表している。その強みを活かして、「従来の商社では実現することのできなかったニーズへの対応」と「世界の産業界の課題解決のためのソリューション」を提供。創業以来114年間、黒字経営を続けている。

「2019年に社長に就任して１年も経たないうちにコロナ禍に入り、初めて赤字を出すかもと危惧しましたが、従業員の皆さんの頑張りもあり、業績が大きく凹むこともなく、回復することができました。これも８つの幅広い業界をカバーしてきたことによる相互補完と、顧客密着で課題解決力が高い当社の強みが出たと思っています」（安井社長）

リックスは、鉄鋼、自動車、電子・半導体、ゴム・タイヤ、工作機械、環境、紙パルプ、高機能材、食品など様々な製造業の生産現場向けに、機械装置や計測機器、消耗品など多種多様な生産財を提供。顧客の困りごとをいち早く察知し対応できるよう、グループ全体で国内は北海道から鹿児島まで36拠点、海外は北米・中国・アジア・欧州など７か国11 拠点のグローバルネットワークを構築している。顧客と膝詰めで課題やニーズを掘り起こし、解決策を提案するだけでなく、「アナログとデジタルの融合」を合言葉に、顧客密着の強みに加え、最新のＩＴやＡＩの技術を導入することでソリューションの幅を広げていくという。

“深化”と“探索”で、ビジネスの主戦場をグローバルに拡大する

これまで着実な成長を積み重ねてきたリックス。安井社長の社長就任以降、その強みをさらに強化すべく、“深化”と“探索”に注力し、ビジネス領域をグローバルに拡げる長期ビジョン「LV2030」を発表。2030年までに連結売上高700億円・営業利益率８％以上・ROE11％以上の達成を目標に掲げている。

「顧客のモノづくりプロセスにおいて、当社は『現場／設備』と『保全』をカバーしてきました。そのプロセスの上流である企画・開発・生産技術、そして下流である廃棄／リサイクルまで主戦場を広げて、“深化”していきたいと考えています。そのためには、自社はもちろん、顧客・仕入先・大学・ベンチャー企業・研究機関などとも協力して、複合型ソリューションの提案力を高め、顧客への貢献度を上げていきます。さらに、既存の顧客や業界に捉われることなく、『安全』『自動化』『環境』『再生エネ』などの成長分野を設定し、新たな領域を“探索”していきます」（安井社長）

その言葉どおり、2021年には新たなビジネスを開発する組織のＮＢ開発本部を設置し、2024年６月末完成予定の「リックス協創センター」を建設するなど、長期ビジョンの布石を着々と進めている。

社外との協創をもとにした技術力・開発力の強化を進める一方で、その高度な提案力を支えているのが、同社独自の『業界プロ』の存在である。８つの専門分野を持つ同社では、各業界に関する高い知見を持ち、幅広い情報ネットワークを持つ人材である『業界プロ』を有しており、地域を越えて全国各地を飛び回っている。彼らが各部署の垣根を越えて、営業への情報提供やアドバイスを行うことで、様々な顧客のニーズに対し高度な提案を行うことができる。

次の100年の成長を見据え、新規範『RIXing Action』を策定

また、社員一人ひとりの個性を生かしたダイナミックな経営を実現するため、会社の基本的な考え方、行動指針を示す『RIXing Action』という規範を策定した。

「これまで先人の方々が紡いできた当社のＤＮＡ、社風、歴史、行動指針を、９つのアクションにまとめたものが『RIXing Action』です。グローバルな組織展開に伴い社員数も増加を続ける中、今後のさらなる成長を実現するために、同じビジョン・想いを共有するために策定しました。全社一体となって実践していくことで、多くのファン（Fan）をつくり、ファンの皆さまに喜んでいただける（Fun）環境の構築が、新たなファンの獲得（Many Fans）、そして、さらなる大きな追い風（Many Fan）につながり、好循環が生まれる。会社全体のレベルアップを目指して、社員一人ひとりと共に歩み、より良い組織、次の100年を育んでいきたいと思っています」（安井社長）

業績の上方修正と増配を発表！　連結配当性向40％を目標に

2022年11月、2023年３月期連結業績予想の売上高、営業利益には変更はないものの、急激な円安に伴う為替差益の増加など予想を上回る営業外利益が発生した結果、経常利益で8.1％増、親会社株主に帰属する当期純利益で7.1％増の上方修正を発表。併せて期末普通配当予想を10円増額し60円とし、中間配当を合わせた年間配当金は１株当たり110円となる予定。配当性向も40％を目標と考えている。今後、リックスの更なる成長が期待される。