工作機械受注、内需・外需ともに減速へ反転。世界同時不況への兆しか?

2022年11月25日 6時59分
工作機械受注、内需・外需ともに減速へ反転。世界同時不況への兆しか?

日本工作機械工業会が「10月の工作機械受注額」を発表。受注総額は前月比93.5%、前年同月比94.6%。内需の前月比82.0%、前年比88.6%。外需も前月比98.1%、前年比97.6%と全てで減少

 国内外の景況の先行指数である工作機械受注の10月分が減少に反転した。これは経済活動再開に伴い景気回復局面にあった国内外の経済が調整局面に入った兆しとも受け取れる。

 11月10日に発表された日本工作機械工業会「10月の工作機械受注額(速報)」によれば、2022年10月分の受注総額は1411億1400万円で、前月比93.5%、前年同月比も94.6%と減少となり、20年7-9月期以来2年ぶりに減少に反転した。内需・外需別に見ると、内需は445億7400万円、前月比85.0%、前年同月比88.6%、外需は965億4000万円、前月比98.1%、前年同月比97.6%と内需、外需ともに前月比、前年同月比で減少となっている。内需はすでに9月分において前年同月比が91.1%の減少となっていたが、外需は同113.1%から減少へと転じた。

 世界同時不況への懸念が強い中、中国経済の減速を受け、中国のスマートフォン関連設備の需要が減速しており、スマホ関連、NC装置での減速が目立っているようだ。以前より世界同時不況入りの懸念は強く、10月11日に発表されたIMF(国際通貨基金)の世界経済見通しは22年の成長率見通しを1月発表時の水準より大幅に下方修正しており、また、23年の成長率見通しは2.7%と7月時点から0.2%ポイント下方修正され、リーマンショック以降最低水準の予測となっている。

 昨年21年から顕著になった世界的なインフレ基調の中で、日本を除く世界各国は輸入価格高騰につながる自国通貨安を食い止めるために金融引き締め策を強化している。特に米国は実体経済を多少犠牲にしても高止まった物価上昇率を許容できる水準に落とすために超タカ派姿勢を維持し利上げペース減速の表明には至っていない。米国のGDPは既に減速傾向で物価上昇率も7月にピークを打っている。にもかかわらず米国FRBのタカ派姿勢に変化は見られず、実体経済への悪影響を懸念する声も少なくない。

 こうした世界経済の減速懸念を受けて世界の設備投資は警戒感を強めている。11月の米国CPI発表が予想を下回ったことを受けてドル安方向に大きく振れているが、12月まではFRBの利上げペースに変更があるかは不透明だ。設備投資動向の先行指数である工作機械受注は内・外需ともに減少に転じた。来年に向け世界同時スタグフレーション(物価高での不況)入りも各方面から指摘されている。政府の適切な対応が期待される。(編集担当:久保田雄城)

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